ちょうど昨年の11月のお話ですが、神戸の大学で5日間計18コマのグループディスカッション・グループワーク対策講座を行いました(今年も実施予定)。
講座はできるだけ本番に近い状態にするため、普段の友達同士は一緒のグループにならず、学内とはいえ基本的に初対面の学生同士でグループを組んで実習を行います。
そんななか、ある日の講座が終わった時に一人の学生が難しそうな顔をして相談に来ました。
内容は「頑張ってリーダーシップを発揮したつもりだったけど周りに引かれてしまった…」というもの。
私もその時の様子を観察していたわけですが、実際本人が良かれと思って周囲に働きかけた時の声は少し荒々しく、まるで怒っているか、キレているかのような口調でした。
その間、メンバーの顔はピクピクと不快感を示すような表情になり皆、下を向いてしまいました。
それを伝えたとき本人は「友達との間では何の問題もない普段通りの自分だったのに…」と。
そう、友達同士の間では…
よく話を聞くとちょっとした“キレキャラ”が友達の間では愛すべきキャラとして通っていたようです。
グループディスカッションも面接も、就職活動での対話はほとんど初対面の関係性のなかで行われます。
そして評価されるのは、その初対面の時間のなかでの自分の姿勢や態度であり、長い時間をかけて培ってきた友達同士の関係性のなかにいる自分ではないということを知る必要があります。
グループディスカッションでは初対面の同じ学生同士のなかでの良好な関係づくりを意識し、面接では初対面の社会人との良好な関係づくりを意識することが大切になってきます。
共通して大切になってくるのは周囲や相手からの自分への理解を期待するのではなく、また自分が周囲や相手から安心させてもらうことを期待するのでもなく、自分から周囲や相手のことを理解し、安心させてあげるこちらからの働きかけだと思います。
いわゆる自分基準よりも相手基準が大切だということ。
その講座での学生も帰り際には「気づく機会になった」と笑顔で帰っていきました。
ぜひ皆さんも「初めまして」の初対面のコミュニケーション能力を身に付けられるよう、頭のなかで意識するだけでなく、実践の場にたくさんチャレンジして、身を持って気づき、磨いていってもらえたらと思っています。
まずは身近な環境で実践できる各大学での就職対策講座を早速チェックしましょう!